賃貸の火災保険は自分で選べる?相場と、指定された保険を断るときの伝え方

公開日: 2026年8月28日|くらべーる編集部

初期費用の見積もりに、当たり前のように並んでいる「火災保険料 20,000円」。この金額、実は自分で選べば半額以下になることが多い項目です。この記事では、賃貸の火災保険の中身、相場、自分で加入する手順、そして角を立てずに断る伝え方を解説します。

加入は必須。でも「その保険」である必要はない

賃貸借契約では、ほぼ例外なく火災保険(正確には家財保険+借家人賠償責任保険)への加入が条件になっています。これは契約条件として正当なものです。あなたが火を出したり水漏れを起こしたりしたとき、貸主や階下の住人への賠償が必要になるからです。

一方で、「不動産会社が指定する保険会社でなければならない」という法律上の決まりはありません。必要な補償が備わっていれば、自分で選んだ保険でも契約条件を満たします。実務上も、証券のコピーを提出すれば認められるのが一般的です。

ポイント 義務なのは「加入すること」。義務ではないのは「その会社の商品に入ること」。この2つを分けて考えるのが出発点です。

相場:提示額と自分で選んだ場合の差

不動産会社の提示自分で選ぶ場合
単身(1R〜1K)・2年15,000〜20,000円8,000〜10,000円
二人暮らし・2年20,000〜25,000円10,000〜15,000円
家財の補償額300〜500万円で設定されがち実態に合わせて調整できる

差が生まれる主な理由は、家財の補償額が実態より大きく設定されていることです。一人暮らしで家財300万円分を持っている人はまれで、家電と家具を合わせても100万円前後というのが実際のところでしょう。ここを見直すだけで保険料は下がります。

必要な補償は3つ

契約書に「借家人賠償責任 1,000万円以上」などの指定がある場合は、その条件を満たす商品を選びます。契約前に必要な補償額を書面で確認しておくのが確実です。

自分で加入する手順

  1. 契約前に伝える — 「火災保険は自分で加入したいのですが、必要な補償条件を教えてください」
  2. 条件を確認する — 借家人賠償の最低額、保険期間(通常は契約期間と同じ2年)
  3. 保険を選んで契約する — 少額短期保険、共済、損保各社のネット申込みなど
  4. 証券のコピーを提出する — 契約日までに提出できるよう逆算する
  5. 更新を忘れない — 2年ごと。切れると契約違反になり得ます

断るときの伝え方

そのまま使える文面 「火災保険は加入します。ただ、こちらで手配したいと考えております。必要な補償内容と最低補償額を教えていただけますでしょうか。証券のコピーは契約日までにご提出します。」

拒否ではなく「加入はする、手配元だけ変えたい」という伝え方がポイントです。それでも強く指定を求められる場合は、その根拠を契約書のどこに書いてあるか確認しましょう。合理的な説明がないまま押し切ろうとする会社は、他の項目も同様である可能性があります(見積もりチェックリスト)。

手間と節約額のバランス

節約できるのは2年で1万円前後。手続きにかかる時間は30分ほどです。時間の余裕がなければ提示された保険で契約し、更新時に切り替えるという選び方も現実的です。更新のタイミングなら入居手続きと切り離して落ち着いて比較できます。

なお、初期費用の中で最も金額が大きく、かつ会社を変えるだけで0円にできる可能性があるのは仲介手数料です。節約の優先順位としては、火災保険より先にそちらを検討する価値があります(AD物件とは?)。

入居中に使えるケース・使えないケース

せっかく入っている保険も、使えることを知らなければ意味がありません。賃貸の火災保険は、火事以外の場面でも役に立ちます。

状況使える補償
洗濯機のホースが外れて階下に水漏れ個人賠償責任+借家人賠償責任
台風で窓が割れ、家電が水濡れ家財保険
空き巣に入られ、家財を盗まれた家財保険(盗難特約の有無を確認)
自分の不注意で床を焦がした借家人賠償責任
経年劣化による設備の故障対象外(貸主の修繕義務)

逆に、建物の老朽化や設備の自然故障は貸主の負担であり、保険を使う場面ではありません。エアコンや給湯器が寿命で壊れた場合は、まず管理会社に連絡しましょう。

まとめ

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